第十三章 かくれんぼかくれんぼ。鬼に見つからないように息を潜めて、じっとしているスリル。 でも、このかくれんぼは、遊びじゃないんだ・・・ 第十三章 不吉な予感 三人は、まつのきの「ヒミツ基地」に到着した。 「・・・?ここは?」 雫が回りを見回して聞く。 苔むした石壁に、入ってきた鉄製のドア。 むっとする黴の匂いと、ひんやりと冷たい空気。 部屋の中心部には、小さなイスとテーブルがあって、そこには、白衣を着て笑顔で笑う薄水色のワタメの写真が載っていた。 まつのきは走っていって写真を裏返しにすると、 「まぁ、そこら辺の用具は気にしないでくれよなっ!」 と笑った。 まつのきがいった「そこら辺の用具」は、コポコポと音を立てて気泡を出している水槽や、中に・・・スライムのような物体の入った水槽の事だ。 「あれ・・・なんだ?」 雫は床にぺたりと座り込んできく。 「それはいいからさぁ。さっさと、「理由」を教えてくれよ・・」 まつのきが雫を警戒しながら聞く。 「簡単に話すと、幽は煮物に命を狙われているんだ、まぁ・・・」 雫はさっと後ろを振り向く。 そこには、 誰もいなかった。 「どうしたの?」 幽が問う。雫は、首を振り、 「今、誰かがいたような気がしたんだけど・・?」 雫は不思議そうな顔をして、まつのきのほうを向く。 「お前・・・本当に信用していいのか?」 訝しげに、まつのきに聞く。 まつのきは、あわてたように答える。 「あ、あぁ。絶対な。」 まつのきは、ため息をつくと、自分の手を見つめる。 怖いほど、まじまじとまつのきは、自分の手を見つめていた。 まつのきは、ふっと顔を上げ、雫に問う。 「どうして、お前は、昔は僕、だったし、子供のような口調だったのに。いまは、なんでそんな、大人びた口調なんだ?」 雫は、斜め下を向いて、ため息をつき、答える。 「それは、悪魔の呪縛のせいなんだよ・・・」 ジャンル別一覧
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